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ニュース解説

Shopifyで佐川急便の置き配に対応 再配達を減らすEC物流の新しい標準を読み解く

and.dがShopifyで佐川急便の置き配に対応。再配達率1割前後という物流課題に、購入時点での受取方法の選択がどう効くのかを分析。EC事業者が導入前に確認すべき規約と補償、小さく試す検証手順、運賃交渉への影響まで実務目線で整理します。

公開日: / 読了目安: 約4分

Shopifyで佐川急便の置き配に対応 再配達を減らすEC物流の新しい標準を読み解く

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ニュースの概要

EC向けの業務支援を手がけるand.dが、ネットショップ構築基盤のShopifyで、佐川急便の置き配に対応したと物流専門媒体が伝えた。細かな仕様は元記事に譲るが、要点は、購入者が注文の段階で置き配を選べる流れが、Shopifyで店を運営する事業者にも用意されたことにある。再配達の削減は、ドライバー不足に悩む物流業界全体の課題である。受取方法の決定を出荷の後ではなく購入の時点へ前倒しする動きは、大手モールだけのものではなくなりつつある。本稿では、この対応が持つ意味と、EC事業者の実務への影響を整理する。

引用元: and.d、Shopifyで佐川急便の置き配対応(LOGISTICS TODAY)

分析・見解

受取方法を購入時に決める流れが広がる理由

置き配とは、玄関前や宅配ボックスなどに、対面せず荷物を置いて配達を終える方法である。国土交通省の調査では、宅配便の再配達率は長く1割前後で推移してきた。10個に1個がやり直しになる計算で、ドライバー不足が続くいま、この二度手間は見過ごせないコストだ。

これまで置き配の指定は、配送会社のアプリや、荷物が動き出した後の連絡で行うことが多かった。受取方法を決める時点が、荷物の出荷よりあとだったのである。今回のような対応は、この順番を入れ替える。注文の時点で希望が分かれば、最初の配達で完了する確率は上がる。

佐川急便への対応が小規模ECに効く意味

宅配各社はそれぞれ置き配や宅配ボックスの仕組みを広げてきた。その中で佐川急便は、法人荷主との取引が厚く、EC事業者の出荷を支える主力の一社である。Shopifyで店を開く事業者は、小規模から中規模が多い。大手モールのように物流を丸ごと任せられない分、配送会社の機能差がそのまま運営の手間になる。配送会社を替えずに置き配を出せることは、実は大きな選択肢の拡大だ。

見落としやすいのは、置き配が便利さだけでなく責任の線引きを含む点である。置いた時点で配達完了とするのか。盗難や誤配のとき誰が補償するのか。配送会社の約款、ショップの規約、購入者の同意がそろって初めて、トラブルは避けられる。購入画面で同意を取れるかどうかが、機能の価値を左右する。

再配達の削減は運賃交渉の材料にもなる

2024年問題以降、運賃の値上げは続いている。荷主は「安く運んでもらう」立場から、「運びやすい荷物を出して選ばれる」立場へ変わる必要がある。受取方法が事前に決まり、住所が正確で、置き場所の指示も明確な荷物は、現場にとって扱いやすい。そうした荷主は、交渉でも話が通りやすくなる。

ここに私の見立てがある。将来、置き配の選択率や再配達率は、荷主の品質指標として見られるようになるだろう。数値で示せる荷主ほど、運賃や集荷条件の話し合いで有利になる。機能の導入は、その数値を作る第一歩でもある。

集合住宅や高額商品では使えない場面が残る

置き配は万能ではない。オートロックの集合住宅、高額商品、生鮮品、対面確認が必要な酒類や医薬品では使いにくい。商品ごとに置き配の可否を切り替えられる設計でないと、購入者が選んだのに配達側が対面に戻す、というちぐはぐが起きる。導入時は、この切り替えの細かさを必ず確かめたい。

また、置き配を選んだ購入者に、置き場所の写真を返す仕組みがあるかどうかも、安心感に直結する。配達完了の証拠が残れば、あとからの言い分の食い違いは減る。

ビジネスへの影響

最初に自社の再配達の実態を数える

導入を決める前に、過去三か月の持ち戻り件数と、不在に関する問い合わせ件数を集計したい。この二つが月の出荷数の何%にあたるかが分かれば、置き配で減らせる手間の上限が見える。数字がないまま入れると、効果を測れない。購入画面に受取方法の選択欄を出し、選ばれた割合を見るだけでも、需要の目安になる。

なお、出荷を委託している倉庫や物流代行会社がある場合は、置き配の指定情報を現場まで正しく渡せるか、運用面の確認も欠かせない。ここが途切れると、購入者の希望が配達員に届かない。

盗難や破損の扱いを先に文章にしておく

置き配では、荷物が無事に届いたかを購入者が確認できない時間が生まれる。盗難や破損があった場合に、返金するのか、再送するのか、購入者の負担を求めるのかを、事前に決めておく。配送会社の補償の範囲と上限も確認し、ショップの規約と購入時の同意文言に反映させる。高額商品や壊れやすい商品は、最初から置き配の対象外にする判断も有効だ。

一部の商品で試し、三つの数字で判断する

全商品で始めず、単価が低く壊れにくい商品から試すのが堅実だ。一か月後に、再配達の件数、不在に関する問い合わせ件数、置き配に関する返金や苦情の件数を見比べる。前の二つが減り、三つ目が許容範囲なら、対象を広げる。逆に苦情が多ければ、置き場所の指定欄や案内文を直す。

あわせて、配送会社との定期的な打ち合わせで、数字を共有したい。再配達の少ない荷主であることを示せれば、将来の運賃や集荷条件の交渉材料になる。小さな導入でも、数字を積み上げる姿勢が、物流費の高止まりが続く時代の備えになる。

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